講演会「”事実を知りたい”という遺族の願いに寄り添ってー学校事故と第三者委員会の役割とはー」
終了しました。多数ご参加ありがとうございました。
講演資料をPDFで公開させていただきます。
■参加者アンケートより ご意見・ご感想
- 被害を受けた側がはたらきかけなければ、事実が明らかにならない連鎖をどのように断ち切るのか、考えていきたい。「自分には関係ない」と思わず、「知る」=土壌を変えていく。地域の問題、皆の問題として考えていけるように。
- 遺族を即座にサポートできる体制を、公的に常設する重要性と必要性を強く感じました。
- 調査段階での事実の隠とく(少なくとも公開への消極性)と表裏にあると考えられる加害者意識の欠如/希薄さの解決、対処が重要と感じました。
- スポーツの指導者として、人ごとではない。今、人を思いやる、痛みを知るという大切な感情が欠けているのではないか。
- 亡くなったこどもの救済(名誉回復)がきちんと行われることを切に願います。同じ小学校に通っていなくても、親たちは忘れずに記憶しています。たくさんのひとが応援しています。
- 第三者委員会の役割やなぜ必要かということがとてもよくわかった。こどもが学校でけがをしたり友達ともめたりといった小さなことに関しては、気にし過ぎでは?と感じるほど、家に電話がかかってきたり、説明されたりするが、大きな事故や明らかに学校に問題がある場合は、隠そう隠そうとという動きが感じられる。学校の隠ぺい体質を根本的に何とかしてほしいと思う。
- 教育に携わる者として、一人一人本当に大切な命を預からせていただいているという思いを改めて心に刻みます。
- 子をもつ者としてご遺族のつらさを思うと言葉もありません。第三者委員会によって事実がご両親に届くことを願っています。
その他多数寄せていただきました。ありがとうございます。
■講師住友剛さんからメッセージをいただきました
早いもので、先日の講演会からもう1週間が過ぎました。
当日来場していただいた方、動画配信で見ていただいた方に、あらためて感謝します。また、この会の準備にご尽力いただいたみなさん、ほんとうにおつかれさまでした。
さて、現在、羽菜さんのご遺族と京都市教委との間で、第三者委員会の具体的な運営のあり方についての協議が行われています。この協議の結果、どのような形で第三者委員会が設置され、スタートできるかが、当面の重要課題です。
私としては、次の3点をクリアできる形で、第三者委員会が発足し、活動をスタートできるようになってほしいと思っています。
- ご遺族の希望をできるだけ受け入れた形で設置要綱等が作られること。
- 市教委や当該の学校に対して適切に調査が実施できるよう、教育行政からの独立性が担保できる形で第三者委員会が設置・運営されること。
- 調査の実務がしっかりと担える形で委員の人選が行われること。
特に、たとえばこれまでの学校におけるプール指導のあり方や、市教委から各学校へのプール指導に関する指示・伝達事項の内容、プール指導に関するマニュアルの中身など、従来の学校や市教委の対応の内実が問われる場面が、調査の過程で多々あると思われます。
このような課題を客観的に検証し、何が問題であったかを明らかにするためには、(2)の部分が担保されるかどうかはきわめて重要かと思われます。
また、そのことは、(1)のご遺族の希望にも沿うことではないかと思われます。そこで、上記(1)~(3)がどのような形でクリアできるか、ご遺族と市教委の交渉状況を、できるだけ多くのみなさんで見守っていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
2013年6月14日 住友剛
■講演会のお知らせ
このたび、浅田羽菜さんの家族とともに歩む会として、下記の通り講演会を企画いたしました。お一人でも多くのご参加お待ちしております。
日 時:2013 年6 月7日(金)19時から20時半
会 場:こどもみらい館 4階第2研修室
京都市中京区間之町通竹屋町下る楠町601-1
TEL 075-254-5001
地下鉄「丸太町」5番出口から徒歩3分
市バス「烏丸丸太町」駅から徒歩5分
地下に駐車場(有料)あり → 地図参照
講 師:住友剛さん(京都精華大学人文学部総合人文学科准教授)
参加費:500円 事前申込不要
主 催 浅田羽菜さんの家族とともに歩む会
お問合せ: kazokutoayumu@gmail.com
チラシ:以下のリンクからダウンロードしていただけます:
「学校事故」。これはこどもを育むわたしたちみんなの問題です。
夏のプールを楽しみにしている子どもたちは多いのではないでしょうか。そんな楽しく安全なはずの夏休みのプール学習で、昨年7
月、小学校一年生の児童が亡くなるという悲しい事故が起こりました。学校と京都市は、事故当日の水位や監視体制に問題があったことを認めていますが、事故が発生したとされる約十分間の状況は空白のまま。我が子の最後の状況を、真実を知りたいと願う遺族の痛切な思いは、いまだかなえられていません。なぜ事故が起こったのか。原因究明と、それらに対応した再発防止策を講じることこそが、子どもを育む私たち一人一人にとっても、よりよい教育環境づくりにつながるのではないでしょうか。
講師にお招きする住友剛先生は、学校事故やいじめ問題でお子さんを亡くされた遺族と関わるとともに、公正中立な立場から事実を積み上げ精査していく役割を果たす第三者委員会の重要性を説いておられます。第三者委員会の設置とそこから見えてくる真実の姿。遺族の思いに寄り添いながら、みんなで学び、考えることからはじめてみませんか。
多数ご参加お待ちしております。
講師ご紹介:
住友剛さん(京都精華大学人文学部総合人文学科准教授)
1999 年、関西大学大学院文学研究科博士後期課程を単位修得後退学。その後、兵庫県川西市の子どもの人権オンブズパーソン調
査相談専門員を経て現職。著書に『はい、子どもの人権オンブズパーソンです』(解放出版社)、共著に『子ども・権利・これから』(明石書店)、『子どもの声を聴く』(明石書店)、『日本近代公教育の支配装置』(社会評論社)がある。
=賛同人=
梅谷康則(代表)/ 小寺幸子(代表)/ 秋山あゆみ(保育士)/ 天根静也(僧侶)/ 有安宏之(医師)/ 有安有香/ 飯田直子/ 池田典子(主任保育士)/ 石井美保(京都大学准教授)井上麻理/ 梅原毬代(保育士)/ 大谷心基(牧師)/ 加藤あい(市会議員) / 加藤わこ(地域福祉コーディネーター)/ 川上穣(京大講師)/ 木安透(保育園園長)/ 国本ともとし(市会議員)/ 崔佳鈴(保育士)
桜井泰広(市会議員)/ 志賀昇平(飲食店勤務)/ 志賀美佐江(飲食店勤務)/ 鈴木マサホ(市会議員)/ 關秀哉(会社役員)/多田一樹(自営業)多田陽子(自営業)/中野亜紀(医師) 中野且敬(医師)/ 中村智/ 西山教行(京都大学大学院教授)/西山由紀/馬場聖子(保育士)/ 林宏(保育士)/廣部由紀子(保育士)前川浩輝(保育士)/守田敏也(フリーライター)/山本麻友美/ 吉岡伸也(自営業)
/吉岡知世子(自営業) 他多数