■【羽菜文庫】

先月、小学校の卒業式が終わりました。

皆さんが学校でのお子さんの様々な姿を思い出すのと同じように、羽菜が学校で見せた様々な表情を、特にこの3月は何度も思い出しました。 

入学式の入場のときの緊張した表情

 

運動会で走り終わったあとのはにかんだ笑顔

 

日曜参観のときの真剣な表情や得意げな表情

 

そんな羽菜の様々な表情を思い出せば出すほど、もう二度と可愛い表情や成長した姿を見られないことを思い知らされることになり…

 

ただただ会いたくて、ただただ抱きしめたくて、本当に言葉では言い表せない想いがありますが…

 

羽菜にとって同級生たちとの卒業の時間ですし、羽菜のために何かしてやれたらと思い、小学校の図書室に【羽菜文庫】を作らせてもらいました。

小学校に対しては、親にとって何より大切な羽菜の命を奪われてしまったことはもちろんのこと、その後の対応という意味でも、未だに受け入れることができない言動や態度などがありますが、、

 

羽菜は学校で楽しい時間もあったと思いますし、友達にもそんな羽菜のことを覚えていてほしいとの想いもあり、妻といろいろ考えて【羽菜文庫】を小学校に設置してもらうことを提案しました。

 

その僕たち両親の提案を受け入れてくれたことについては学校に感謝していますが、何より羽菜の机を六年間ずっと大事にしながら一緒に過ごしてくれた同級生たちへの感謝の想いが強くあって、僕たち両親から本棚と本を学校に寄贈して、文庫を作らせてもらうことにしました。

 

本棚は、木工をされている羽菜の同級生のご両親にお願いし、心のこもったものを作っていただきました。

本は、同級生や保護者の方々に「羽菜と読みたい本」「羽菜が読んでいそうな本」「羽菜を感じる本」などをそれぞれに選んでいただき、その理由も併せて書いていただきました。

 皆さんそれぞれ真剣に選んでくださいましたが、皆さんの羽菜への想いに、特に同級生たちの純粋な想いに胸をうたれました。

 

  • 羽菜ちゃんと一緒に読みたかったから
  • 羽菜ちゃんと最後に勉強した本だから

 

のほかに、

 

  • 羽菜ちゃんが好きだった本だから、みんなにも読んでほしいから
  • 主役の女の子が羽菜ちゃんのように元気なので
  • 羽菜ちゃんも同じ十二歳だから。楽しかったよという言葉を伝えたいから
  • この本の友達の様に羽菜ちゃんとずっと友達でいれたらいいと思ったから
  • 一緒にいる時間だけが大切だとは限らないことに気づけた本だから
  • 命の大切さに気づけた本だから

 

などと書いてくれた同級生もいて、一年生の一学期しか一緒にいられなかった羽菜のことを、六年間ずっと大事に考えてくれてきたことが伝わってきて…

 

胸があつくなりました。

 

そんな風に選んでいただいた本は、妻がまとめて手配しましたが、それを一緒に運んでくれたのも同級生のお母さんですし、本棚が学校に届けられたのちに、同級生たちがそこに本を大事に収めてくれました。

 

ただ収めるだけでなく、羽菜の写真やイラスト、折り紙などを使って、皆さんで本棚と机を可愛く飾ってくれています。 

そんな皆さんの心優しいご協力や想いに感謝しかありません。

 

【羽菜文庫】設置にあたり、羽菜や僕たち両親のために快く協力してくれた同級生や保護者の方々に、改めてお礼を申し上げたいと思います。

 

 本当にありがとうございました。

 

同級生の中には、弟さんや妹さんがまだ小学校に在学されるご家庭もあります。

 

羽菜のことを想ってくださる皆さんに、これからも【羽菜文庫】を見守っていただけると思うと、心強く感じます。

 

この【羽菜文庫】が、羽菜が小学校で過ごした証となって、皆さんとの想い出をつなぎ、保育園の【羽菜の樹】同様に、羽菜を強く感じてもらえる場所となることを願っています。

 

浅田  康之